重賞データcheck
 今週は安田記念が東京芝1600mで行われる。そこで、過去のデータからこれらの重賞レースの傾向を占う。
◎文字化けする場合は→
◆ コンテンツメニュー ◆

第75回 安田記念(G1)

6月8日(日) 東京競馬場 芝1600m

 春のマイル王決定戦・安田記念。創設からしばらくはハンデ重賞として行われており、グレード制が導入された84年より現在の位置づけとなった。以降、ニホンピロウイナータイキシャトルなど、多くの名マイラーがこのレースを制してきた。近年もモズアスコットやインディチャンプ、グランアレグリア、ソングラインが本競走優勝後にさらにマイルG1で勝ち鞍を加えている。
 一方で、08〜09年にはダービー馬のウオッカが連覇したほか、13年はスプリント路線を歩んだロードカナロアが優勝するなど、スペシャリストばかりが活躍しているわけではない。近年では21年のダノンキングリーや昨年のロマンチックウォリアーは1800m以上を主戦場としていた馬だった。今年はどんなタイプの馬が勝利を飾るのか、過去の傾向を見てみよう。
過去のデータをCheck!

チェック1近年の好走馬は4番人気以内か8番人気

 過去10年、1番人気は【2.3.3.2】と勝率に少し不満はあるが複勝率は80.0%と高い。4番人気が【3.1.1.5】と最多3勝をマークしており、穴では8番人気の複勝率40.0%が目立っている。ここ5年にかぎった成績をみると、3着以内の好走馬15頭中13頭は4番人気以内で、残る2頭は8番人気だった。ただ8番人気といっても単勝オッズは47.6倍、15.7倍と差があるため、ピンポイントで8番人気を狙うべきかは微妙なところ。「4番人気以内中心」という考えで良さそうだ。
※データ分析なら競馬道OnLineデータや競馬Compassがおすすめ
【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率 過去5年
1 2-3-3-2 20.0% 50.0% 80.0% 1-2-1-1
2 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0% 0-1-2-2
3 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0% 1-1-0-3
4 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0% 2-1-1-1
5 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0% 0-0-0-5
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0% 0-0-0-5
7 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0% 0-0-0-5
8 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0% 1-0-1-3
9 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0% 0-0-0-5
10〜 0-0-1-70 0.0% 0.0% 1.4% 0-0-0-37
【上位馬の人気と主な配当(過去10年)】
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
1着人気 1 8 7 9 4 3 8 4 4 1
2着人気 3 1 8 5 3 1 1 2 3 4
3着人気 12 6 3 1 1 2 4 8 1 2
単勝 370円 3,690円 1,240円 1,570円 1,920円 1,200円 4,760円 820円 740円 360円
馬連 1,740円 3,230円 10,480円 7,370円 5,670円 650円 2,950円 1,740円 1,890円 2,850円
馬単 2,680円 11,580円 20,410円 15,290円 13,660円 2,840円 12,090円 3,740円 4,240円 4,220円
3連複 40,690円 14,990円 43,500円 6,560円 3,690円 840円 8,860円 11,810円 2,290円 3,280円
3連単 127,190円 153,560円 283,000円 63,280円 43,720円 11,240円 110,420円 64,140円 14,510円 17,740円

チェック2牡・センの人気馬なら4歳よりも5〜6歳

 牡・セン馬の年齢別成績を見ると、4歳から6歳まで複勝率20%を超えた年齢はなく、25.0%の3歳は該当馬が少なすぎるため、年齢からは狙いを定めづらい印象も受ける。ただ3番人気以内の馬にかぎると5歳馬が複勝率で一歩リードし、次いで6歳、そして4歳の順。4歳は人気どころで馬券圏外に沈む馬がやや多い。
 牝馬は複勝率42.9%で牡・セン馬全体の同15.0%を大きく上回り、特に人気馬の安定感が際立つ。好走回数は9回で、うち8回はアエロリット、アーモンドアイ、グランアレグリア、ソングラインが4、5歳時に連続好走。残る1回は昨年のナミュール(5歳)だ。
※データ分析なら競馬道OnLineデータや競馬Compassがおすすめ
【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率 1〜3番人気 同複勝率
牡・セン 3歳 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0% 0-0-0-0
4歳 3-2-1-26 9.4% 15.6% 18.8% 1-2-1-7 36.4%
5歳 1-1-3-33 2.6% 5.3% 13.2% 0-1-2-2 60.0%
6歳 3-1-3-33 7.5% 10.0% 17.5% 1-1-2-3 57.1%
7歳〜 0-1-1-24 0.0% 3.8% 7.7% 0-0-0-0
牝馬 3-5-1-12 14.3% 38.1% 42.9% 1-3-1-2 71.4%

チェック3穴狙いなら中〜外枠重視

 枠番別の成績を見ると、1枠【0.1.1.15】や8枠【1.1.2.21】、6枠【0.1.1.18】の連対率が低いが、全体としてみれば勝ち馬の出ていない内枠不振の傾向と言っても良さそうな印象だ。また表の右に記したように、4番人気以下の好走馬14頭中11頭は5〜8枠から出ている。1〜3番人気の好走馬は4枠以内のほうが多いため、特に4番人気以下の馬については5枠から外の馬を重視したい。
※データ分析なら競馬道OnLineデータや競馬Compassがおすすめ
【枠番別成績(過去10年)】
成績 勝率 連対率 複勝率 1〜3番人気 4番人気以下
1 0-1-1-15 0.0% 5.9% 11.8% 0-1-1-1 0-0-0-14
2 0-2-0-15 0.0% 11.8% 11.8% 0-1-0-0 0-1-0-15
3 2-1-1-15 10.5% 15.8% 21.1% 1-0-1-2 1-1-0-13
4 1-2-1-15 5.3% 15.8% 21.1% 1-2-1-3 0-0-0-12
5 2-1-1-16 10.0% 15.0% 20.0% 0-1-1-2 2-0-0-14
6 0-1-1-18 0.0% 5.0% 10.0% 0-1-0-1 0-0-1-17
7 4-1-3-16 16.7% 20.8% 33.3% 1-1-2-1 3-0-1-15
8 1-1-2-21 4.0% 8.0% 16.0% 0-0-0-4 1-1-2-17

チェック4近年は前走G1組が中心に

 主な前走レース別で、出走馬がもっとも多いのは、同距離のステップレース・マイラーズC組。ただ、インディチャンプ(同レース4着)が優勝したものの【1.0.5.33】と好走しても3着止まりが多い。一時は好走馬が多かった京王杯スプリングC組も、ここ10年は【1.1.1.22】。ほかに2勝を挙げているダービー卿CT組も2017年以降は好走馬がおらず、G2以下のステップレース組が目立たなくなっている。2018年以降はヴィクトリアM組が【2.5.0.8】と7連対を記録するなど、馬券圏内に絡んだ21頭中16頭が海外を含む前走G1組から出ている。
※データ分析なら競馬道OnLineデータや競馬Compassがおすすめ
【主な前走レース別成績(過去10年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
ヴィクトリアM 2-5-0-10 11.8% 41.2% 41.2%
ダービー卿CT 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
京王杯スプリングC 1-1-1-22 4.0% 8.0% 12.0%
マイラーズC 1-0-5-33 2.6% 2.6% 15.4%
高松宮記念 1-0-1-9 9.1% 9.1% 18.2%
ドバイターフ 0-2-1-3 0.0% 33.3% 50.0%
チャンピオンズM 0-1-0-6 0.0% 14.3% 14.3%
大阪杯(G1) 0-0-1-14 0.0% 0.0% 6.7%

チェック5美浦南Wコース組が断然

 過去10年の東西所属別成績をみると、関東馬【6.7.5.42】複勝率30.0%に対し、関西馬【3.3.5.84】同11.6%と関東馬が優勢だ。このため、出走馬の追い切りをパソコン用調教分析ソフト「競馬道 調教マスター」で分析すると、美浦南Wコースで追い切った馬が好成績。【5.5.4.31】で複勝率31.1%と、他の主要コースを大きく離す好結果を残している。好走した14頭中13頭は馬ナリだったが、馬券圏外に敗れた馬も馬ナリが大半。時計など他の要素でも決め手を欠くため、美浦南W組は全体として注目、としたい。
 対して美浦の坂路組は該当馬が少ない影響もあるが、2着1回にとどまる。なお栗東追い切り馬同士の比較では、好走馬数こそ坂路組に多いものの、複勝率はCW組も互角だ。なお、表以外に連闘で軽めだったモズアスコット、美浦南Bのダノンキングリー、そして東京芝のロマンチックウォリアーが優勝している。 「競馬道調教マスター」について詳しく知りたい人はコチラまで。
【主な追い切りコース別成績(過去10年)】
コース 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦南W 5-5-4-31 11.1% 22.2% 31.1%
美浦南坂 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
栗東坂路 1-2-4-54 1.6% 4.9% 11.5%
栗東CW 1-1-1-25 3.6% 7.1% 10.7%